原作ファンの方、安心してください。
小梅と磯辺が、ちゃんとあの町、あの部屋にいました。
カツセマサヒコ
(小説家/ライター)
映し出されるのは、少しのすれ違いで
溢れてしまいそうな、表面張力ぎりぎりの心。
きらめきと閉塞感が同居する、繊細な瞬間の連続。
忘れかけていた青さと、それ故の苦しみに、
何度も胸が締め付けられました。
塩塚モエカ
(羊文学)
台風のシーンが出てくる映画は強烈に心に残る。
「風をあつめて」のイメージが塗り替えられそう。
スネアの音もいつもと違って響いた。
もう戻れないけど、あの頃に嗅ぐべきだった
いろいろなニオイがあるのではと思ってしまった。
大橋裕之
(漫画家)
海に漂う生臭さにも、いつか慣れてしまうだろう。
生に飛び込んでゆきたい。
辿り着くのはいつもわたしだ。
もうわたしの香りにも気づかなくなった頃に、
いつものにおいを探してる。
たかはしほのか
(リーガルリリー)
汗も、涙も、全部の水分がからまってまとわりつくように重いのに、
いつもどこかずっと渇いてるのはなんでだろう。
きらきら光る青い海も、荒波立つ鋭い海も、
全部飲み込んでそこに在る、大きなうみがただ眩しかったです。
ずっと観たくなかったような映画であり、心のどこかでは、
こんな「うみべの女の子」と出会えることを
待ち望んでいたような気がしました。
小西桜子
(女優)
23歳で童貞卒業した俺にとっては、浅野いにお君のエロい高校時代を観てるようでやり切れなかったが、よく見ると主人公たち中学生じゃないですか!ど畜生!…いや、作品に罪はないです。身体は何度触れ合っても心は噛み合わないもどかしさ、そんなチグハグな青春を見事に描いてます。…いや、青春を知らない俺が何言っても説得力ないか。
花沢健吾
(漫画家)
小梅の弱さ故のずるさに思い当たる節があり、
磯辺の繊細なくせに単純なところに呆れながら胸を締め付けられた。
青春は必ずしも真っ青じゃなくて...傷付きたくない私は、
あの頃に戻りたくないからこそまたこの映画を観ると思います。
峯岸みなみ
(タレント)
爽やかな青春などというものに縁もなければ、
好きでもない人。
この「うみべの女の子」をぜひ。
ラリー・クラークの「KIDS」を思い出しました。
これは、黒い青春映画です。
内田英治
(映画監督)
ウエダ監督とプロデューサーたちがこの映画に強く意識したという「90年代後半の空気」は、それを吸ってきた氷河期世代の中年たちに柔らかな郷愁をもたらすのだろうか。いや、ちょうどその時代に生まれた俳優たちのバチバチ弾けるような演技を目撃して呆気にとられるのがまず先だった。原作漫画に向けるウエダ監督の深い敬意は、擬態なんていう次元をはるかに超えた20代の強化中学生たちを生み出した。作家の創意の深層に溜まりがちな「○年代○半」という空気は、それがもっとも正直であるとき現在の台風になってしまうらしい。
冨永昌敬
(映画監督)
BG
BG
小梅と磯辺が、ちゃんとあの町、あの部屋にいました。